アート
若手現代アーティストの発信拠点
「ろ霞」には、今最も注目される国内の
若手現代アーティストの作品が展示されています。
施設のアートプロデュースは、
精力的に現代アートの情報を発信し続ける
後藤繁雄氏(京都芸術大学教授)が担当。
エッジの効いたキュレーションだけでなく、
不定期に開催されるアートプログラムも必見です。
アートは人間の心を揺さぶり、
癒し、突き動かすために存在するもの。
ギャラリーや美術館での作品鑑賞とは異なる
「アートと寄り添うディープな時間」を
どうぞご堪能ください。
FEATUREDアーティスト
例えば、庭園に佇む白のオブジェ「Ether#80(名和晃平氏作)」やバーの壁面を飾る品川亮氏の「四季花鳥図」など、ろ霞には新進気鋭のアーティストによる作品がそこかしこに点在しています。
ろ霞は、世界へ放つカルチャー発信拠点として、半年に一度選抜した若手アーティストが、宿泊棟の全11室に描き下ろした作品を展示販売する「Featuredアーティスト」というプログラムを行っています。
定期的に新作11点を発表する場を設けることで、国内の若手アーティストの支援となり、世界中からアートを愛する人々が集い、語り合う豊かな時がさらに新しい何かを紡ぎ出す。そんな場所でありたいと願っています。
- Vol. 06
- 松岡柚歩
ポップで立体的な絵画に宿る、 視覚的な喜びと楽しみ
アーティストコメント
プロフィール
1996年 兵庫県生まれ。2021年 京都芸術大学大学院修士課程芸術研究科美術工芸領域油画専攻 修了。 正方形のキャンバスにアクリル絵具で格子柄を描き、その上から抽象的な形状をした色面を部分的に盛り付けることで、人の視覚の働きにアプローチする絵画作品を制作している。図柄や彩度と明度の高さから一見ポップなイメージを持つ作品は、重なりが作り出すレイヤーによって立体作品のような印象を持ちつつ、鑑賞者と絵画の関係性について再考させている。近年は絵画の性質や成り立ちに基づいてテキスタイルを用いた作品も合わせて制作している。 主な展覧会歴として、2023年 個展「狭めた視界」(京都蔦屋書店 ギャラリー・京都)、「Idemitsu Art Award アーティストセレクション 2023」(国立新美術館・東京)、個展「冗長な月」(CANDYBAR GALLERY・東京)、個展「針の穴から天を覗く」(FOAM CONTEMPORARY・東京)など。主な受賞歴として、2023年「Pommery Prize Kyoto 2023」優秀賞、2021年「ART AWARD TOKYO MARUNOUCHI 2021」Proactive賞、2020 年「シェル美術賞2020」学生特別賞など。
客室作品一覧
- Room No.1
- Room No.2
- Room No.3
- Room No.5
- Room No.6
- Room No.7
- Room No.8_1
- Room No.8_2
- Room No.9
- Room No.10
- Room No.11
- Room No.12
アーカイブ
アートツアーのご案内
ろ霞では、館内に展示しているコレクション作品をはじめ、客室展示作品をご覧いただけるアートツアーを開催しております。事前ご予約制となっておりますので、ぜひお申し付けくださいませ。
開催時間:14:15〜14:45(7日前までの完全ご予約制)
※ご案内は日本語のみで実施いたします
館内コレクション
名和晃平
1975年生まれ。彫刻家/Sandwich Inc.主宰/京都術大学教授。2003年京都市立芸術大学大学院美術研究科博士課程彫刻専攻修了。感覚に接続するインターフェイスとして、彫刻の「表皮」に着 目し、セル(細胞・粒)という概念を機軸として、2002年に情報化時代を象徴する「PixCell」 を発表。それ以降、彫刻の定義を柔軟に解釈し、鑑賞者に素材の物性がひらかれてくるような知 覚体験を次々に生み出してきた。2018年にフランス・ルーヴル美術館ピラミッド内にて彫刻作品「Throne」を特別展示。
山本捷平
1994年、神奈川県生まれ。2019年京都芸術大学大学院修了。同年、アートアワードトーキョー丸の 内2019、フランス大使館賞を受賞。美術史などを参照とした伝統的な「記号」や「サイン」をモチー フとし、自作のローラーを用いてキャンバス上でアナログの反復を繰り返すという独自のアプローチ で絵画を制作。主な個展に「Re:Reiterate」(アンスティチュ・フランセ東京、2020)など。
山田康平
1997年、大阪生まれ。2020年武蔵野美術大学油絵学科卒業。同年、京都芸術大学修士課程入学。 主な受賞歴に「CAF賞2020」入選、「FACE2020 損保ジャパン日本興亜美術賞展」入選など。主 な個展に「線の入り方」(Mtk comtemporary art(.S店舗内)/京都岡崎蔦屋書店ギャラリース ペース、2022)、「road」(代官山ヒルサイドテラス アネックス A、2021)、「のぼり、おりる」(ギャ ラリー美の舎、2020)などがある。
横田大輔
1983年、埼玉県生まれ。日本写真芸術専門学校卒業。2013年、アムステルダムのUnseen Photo Fairにおいて「The Outset Unseen Exhibition Fund」初受賞者となり、翌年2014年にFoam写真 美術館にて個展を開催。2016年にはPaul Huf Award、さらに2019年には木村伊兵衛賞を受賞す るなど国内外で高い注目を集める。主な展覧会に「Photographs」(rin art association、2021)
「SHAPE OF LIGHT」(Tate Modern、2018)など。
茂田真史
1985年千葉県生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科工芸専攻陶芸修了。千葉県柏市に工房を構え、陶芸作家として活動する。2006年平山郁夫賞受賞、2011年菊池ビエンナーレ(入選)。大手 百貨店をはじめとして数多くの展覧会を行う。近年の主な展覧会に「素材之花 -春への兆し-」
(アートフロントギャラリー、2021)、個展「茂田真史 陶芸展 ‒CRYSTALLIZE-」(そごう千葉 店、2018)など。
品川亮
1987年、大阪生まれ。京都を拠点として日本画を学びながら、イタリアやスイスなど海外でも研修を 行い、伝統的な日本絵画に現代絵画のエッセンスを取り入れた作品を発表する。日本、ソウル、台 北などアジアを中心に、バーゼルやニューヨークで作品を発表。タイガー魔法瓶や下鴨茶寮、翠嵐ラ グジュアリーコレクションホテル京都などコミッションワークにも数多く携わっている。
ろ霞
ART PROJECT
アートプロデューサーご挨拶
瀬戸内芸術祭により、世界に知られるアートの島「直島」で 、若手アーティストの作品と出会える、おもてなしの旅館が誕生。それが伝統を現代に活かした「直島旅館 ろ霞」である。オープンとともに、「ろ霞 ART PROJECT」をスタートさせる。そのミッションは、今後、世界では活躍する才能を発掘、育成し販売する体制を、中長期的に継続してつくり上げていくことだ。そのファーストステップとして、庭、ラウンジやレストランなどの館内を、コレクショ ンの作品展示の場とするとともに、11からなる客室では、若手アーティストを選抜した展覧会が年2回から4回開催される。コレクションは、2018年にパリのルーブル美術館ピラミッド内で巨大彫刻を発表し、世界の注目を集める名和晃平、コンテンポラリー・ペインティングの若手の旗手・品川亮、山本捷平、山田康平、そして木村伊兵衛賞受賞作家である写真家・横田大輔 が並ぶ。また、2022年4月から約半年間を第一回の期間として、11の宿泊の部屋をギャラリーに、 人気画家・品川亮による新作シリーズ「新古今和歌集十二選」を公開。宿泊者を優先として、オンラインで作品のセールスも行う。このように今後も継続的に若手アーティストによるセレクション展を開催するとともに、ろ霞 ART PROJECTは、アーティスト・イン・レジデンス やギャラリーなどの新設など、直島の新たなアートの魅力を生み出すことを計画中、ご期待下さい。
プロフィール
大阪府生まれ。編集者、クリエイティブディレクター、アートプロデューサー、京都芸術大学教授。「独特編集」をモットーに、坂本龍一、細野晴臣、篠山紀信、蜷川実花、名和晃平等のアートブック、写真集も数多く手掛ける。また自ら主宰するG/P+abpをプラットフォームとして、150を超す展覧会をキュレーションしてきた。
直近のプロデュースの仕事として、GINZA SIXにおける名和晃平の巨大なインスタレーション「Metamorphosis Garden」のアートプロデュースがある。また、京都芸大大学院GOTOラボ、SUPER SCHOOL online「A&E(ART & EDIT)」を主宰。
今回直島旅館 ろ霞 客室にて、「outline」シリーズを中心に合計12点展示させいただくことになりました。
普段の展覧会の空間とは少し違った空気の中で作品を眺めていると、いつもは気づかなかったまた別の表情を覗かせます。
作品は、土地の空気、光、風、時間の経過などの外的要因、そして人の心情などの内的要因によって変化するものです。
この旅館での滞在生活の中で、作品がみなさんの思い出を少し色づけることができたら光栄です。 揺らぐ地平線や緑の香りなど、穏やかな時間が流れる自然豊かな直島の四季の変化とともに、ぜひ色々な角度や距離からじっくりと楽しんでください。